「法的手段に訴えます」と言われたら

id:magicink:20030511さんの日記についていたコメントを拝見して、とても怖いなあと思いました。

Googleのキャッシュも見せていただいたのですが、僕個人としては、id:magicinkさんがそこまで侮辱的なことを書いていらしたとは思えませんでした。このくらいの発言で法廷で争えるものなのかどうかわかりませんけれど。著作権云々は関係のない話でしょう。

僕が気にかかったのは、「すぐ削除してください。さもなければ法的手段も辞さない考えです」みたいな言い方が、だんだんと一つのスタイルになりつつあるのではないかということです。何気ない発言に対して腹を立てた誰かが「削除か訴訟か」の選択を迫るような、そういうスタイルを私達は当たり前のものとして受け入れるようになっているのではないか、そういう不安を感じました。

いきなり「法的手段も辞さない」なんて言われたら、たとえそれほどひどいことを書いていなくとも、自分の書いたものを消してしまうかもしれない。一度消してしまったら、周囲の人には、なにかひどく侮辱的なことを書いたと思われてしまうかもしれない。そういう目にあうことが、僕はとても怖いです。

第一声目で「法的手段」とか言い出すのは、法律家の警告スタイルなんでしょうけれど、私達は法律家じゃない。社会的な人間として、何が問題であるのかを話し合い、必要に応じて訂正するなり謝罪するなりしたらいいと思う。相互理解を拒絶するような「削除か訴訟か」発言のスタイルに、僕は強い反感をおぼえます。