ガードを降ろすということ

id:koseki:20040410のrishikawさんのコメントで、

# rishikaw 『例えば、私がちょっと肌を出した格好をして夜の繁華街に出たらレイプされてしまったとする。自己責任ということなら、そんな格好でそんな時間に出かけた私が全面的に悪いのだから、その帰結を甘受せよということなのかなと考えていたところでした。』

考えたんですが、今回の場合、肌を出して危険な通りを歩かないことには、レイプ被害が減らないという状況なんですよね。

はてな顔出し」で、女子が顔写真を載せるなんてネットの危険性がわかってない、どうかしてる、って怒る人が結構居て、それは一面では正しいんでしょうけど、そもそも写真を出す人が悪いわけじゃないし、ストーカーだの掲示板に転載する馬鹿だのせいでやりたい事が出来ない、という状況にまず腹を立てるべきだと思った。大勢が顔写真を出したら一人のリスクは減るわけで、どんどん出してしまえ、ということを割と無責任に考えてました。

自己防衛の価値を重視するあまり、ガードを降ろそうとする人を非難しては駄目なんじゃないかと思います。危険な状況を改善しようとしている場合は特に。周りにガードの壁を築いて、外との関係が遮断されてしまってはまずい。余所の国に武器を大量に持ち込んで自分をガードしながら行動する人たちよりも、ガードを降ろして行動する人に信頼が集まるのは当然だと思います。

顔出しの一人分のリスクが減る、という話は、人間の盾の話も一緒で、あれ十人とかで行くから効果が無いわけで数万人くらい行ったらリアルに意味を持つわけです。でも我々は行けないし、行かない。自分たちの価値観で行動できる限界があって、そこが挑まれているようで、苛立つのだと思います。

僕は、id:koseki:20040415#1082007851で書いたとおり、今イラクに絶対行きたくない。それは、ナイフを首に突きつけられて耳元で叫ばれるのが怖いからだし、助かったのに「迷惑だ!」と罵られるのが怖いからです。仕事がなくなってますます貧乏になるのも怖いです。そういう恐怖を超えて行ける、ある意味奇特な人を全力でサポートすべきなのだと思います。

かと言って、本人の生命の危険を考えると、どんどん行けとは言えないし言うべきでもないと思います。経験値の低い人は比較的安全なところでトレーニングを積むべきです。一度ミスしたらペナルティでしばらく安全なエリアまで戻ってもらったほうがいい。というのは、税金が無駄に使わないためです。1枚も写真を取れなかったカメラマンよりも写真を送りつづけるカメラマンのほうに、税金を使ってほしいからです。もちろん、見殺しにしていい、と言ってるのではないです。