ポツドール 『愛の渦』

土曜日昼の回に見た。ポツドールは『激情』から見始めてこれで3作目。乱交パーティの一日を、裸でやる合コン風に描くお話。ちょっといい話にまとまっていて、観終った後でじわじわと不快感が広がるような。動物になっちゃえば楽だよ、楽しいよ、と手招きしているからか。

動物になり切れない「古い人」と、ちゃんと動物になれた「新しい人」が出てくる。

前作『ANIMAL』は登場するのが「新しい人」ばかりで、観客を力の限りに拒絶するような芝居だった。セリフは大音量のヒップホップで最初から最後まで一言も聞き取れず、怒号やら泣き声だけが聞こえてくる。誰にも感情移入できない。事件らしい事件は最初に起こったっきり、何も解決せずどこにも話がすすまない。何度も潰されては元通り組み立てられるテントが、どんな力を加えても元に戻る「新しい人」たちの強さと重なって、印象に残った。

今回の『愛の渦』も概ね「新しい人」の生態を観察するような芝居なのだけれど(言われたら一生立ち直れないような酷い事を言い合うのに、誰一人傷つかない。群れの形が一瞬乱れて、すぐ元に戻るように。)、意外な人が最後に古さを見せて、それが希望のように感じられた。

あと、席はB列右端で最低でした。エロいことは全部上手側のソファーで起こってて。足だけとかしか見えなかったですよ!結構早めに予約したつもりだったんだけどなあ……。当日券のほうがいい席なんじゃないかと思う。

水曜までだそうです。