でも猫飼いたいなあ……
大島弓子『グーグーだって猫である』は、それとなくペット産業の問題について触れていて、よいですよ。作者が変わっていく様子が(非常に微妙にですが)描かれている気がします。
猫だから何も考えていない。いや、大島弓子はもう猫によって自分の過剰な自意識を「補完」しようとしたりはしない。
ただの猫がそこにいる。
それは戦後少女まんが史に於いて初めて描かれた<他者>であるとさえいえる。
大島弓子は今も少女まんがの最も先端にいる。「グーグーだって猫である」はそういう作品である。(大塚英志 「もう、『補完』はされない」)