あずまきよひこ『よつばと!』(1)

よつばと!』1巻読みました。登場人物を好きになることに主眼が置かれている(みたいに見える)漫画って、読んでも仕方がないんじゃないか、というような警戒感があったりなんかして、なんとなく買わずにいたんですが、読んだらやっぱり面白かったです。すごく面白かったです。

瞳孔が開いてる感じとか父子家庭の話とかは、小田扉『こさめちゃん』にちょっとにてる気がしました。洗濯物を取り込むシーンに、1話で1日のペースで話が進んでるっていうヒントが(たぶん)描かれていて、細かい仕掛けにも期待してしまいます。

それから、『よつばと!』1巻の中に「ENJOY EVERYTHING」って書いてあるところがあって、これがとても気になりました。「ENJOY EVERYTHING」な状態になるには純粋であることが必要な条件なんじゃないかと思うのだけれど、もちろん自分は大人なのでよつばのような子どもの純粋さというのはありえないです。

よつばと!』を読む前に『天才柳沢教授の生活』21巻を買って読んでいて相変わらず素晴らしかったのですが、自分の中では柳沢教授が(大人の)純粋さのモデルなんじゃないかというようなことを考えてました。『カンバセイション・ピース』もこないだ読んだんですが、いちばん心ひかれた部分は柳沢教授とおんなじで、あらゆる場面でしつこく基本的なことを思考しつづけることによって「ENJOY EVERYTHING」な状態に近づけるんじゃないかというようなことだった気がします。

id:masaccioさんのこの話とかid:kojinさんの消されちゃったピュアについての話とかを読んで、自分の不純さというか打算的であることについて考えていて、打算的な人間でも改心すれば純粋になれるんだろうかとか、「ENJOY EVERYTHING」な状態に近づける可能性はあるのかな、というようなことを考えていました。というのは打算で言ってて、実はそんなことは全然考えていなかった気もしてくるのですが。