人が死なない軍隊

日本は平和憲法の精神に則り、自衛隊を敵と味方双方の命を救う組織に変えていきます、という宣言ができないかということを考えています。

戦争がダメなのは、相手の暴力を暴力によってコントロールしようとするところです。では、それ以外の方法は絶対に存在しないのか。味方の防御をしながら、敵の身体を損なわずに行動だけを封じる「技術」があれば、必ずしも暴力で暴力に対抗する必要はないと思うのです。

レスキュー技術、救急医療技術、防御技術、交渉術、それから最も重要な非殺傷兵器の開発に力を注ぐことで、日本が100年先の軍隊の概念を変えていこうとする。それは、国際協力のあり方として説得力を持ち得るのではないかと思います。

第一、人殺しを強いられる組織よりも、敵も味方も死なせずに戦争状態を解決しようとするプロフェッショナル集団のほうが、ずっと格好いいじゃないですか。そういう集団になら命がけで加わりたいと自分でも思います。

自衛隊を昔ながらの軍隊に近づけようとする努力より、いままでとは違う方向に進化させるほうが、ずっと未来に希望が持てるんじゃないでしょうか。希望が持てる行動に、人は大きな力を発揮できるものだと思います。