電車男という恐怖小説

電車男が魅力的な恋愛劇だ、というのは全くその通りだと思うし、自分も夢中で読んで感動しましたよ。でも、怖い話だとも思う。

あれがフィクションだという保証があるなら、素直に魅力を受け入れることもできるんだけど、実話の可能性もあるわけで、自分たちが一人の女性の人間性の核にまで踏み込むような超大規模な覗きをやってるという事実を、感動の中でウヤムヤにしてしまうのは、マズイんじゃないかと思った。

例えば、仲のいい女性の友人が知らない男性と一緒にいて、話しているうちに、その男が電車男だとわかってしまう、というような体験をしないとも限らない。あなたが公園のベンチで何を言ったかみんなしってるよ、って自分の友達に言える?それとも黙ってる?

電車男さんが悪いって言いたいわけではなくて、自分もこうやって話題にしているこの行為が、ある人の一生にそう何度も無い大切な物語を土足で踏み荒らしているのかもしれないっていうことです。覗きの後ろめたさを知らんぷりしてると、怖いことになるんじゃないかってことです。

(つづきがあるよ)