自己責任論 再び

彼らは、そこが危険な地域であるということを前もって十二分に知らされていたにも関わらず、その地域から退去しようとはしませんでした。彼らに話を聞けば、この地を去ることなんかできるわけがない、そんな言い様は人の道に外れたことだ、と主張するのかもしれません。しかし、それならば入念な準備を行うのは当然のことではありませんか。命を捨てる覚悟さえ当然持っていてしかるべきではないですか。都合のいい時だけ助けてくれ、なんてムシが良すぎるとは思いませんか。

その挙句が、この事態です。ついに起こるべき事が起こった、と思った人も少なからずいることでしょう。しかし、生命の危機に晒されている彼らに、優しい日本国民は心からの同情を寄せました。報道される映像を皆が息を詰めて見守り、家族の安否を気遣う姿に心を痛め、当然、自己責任論など誰一人口にすることはありません。膨大な額の税金が救出活動に費やされるにも関わらず、誰もその費用を彼らに請求しようなどとは言い出しません。それどころか、少しでも足しになればと多額の義援金が、新潟県を始めとして今回地震被害のあった地域に寄せられているのだそうです。