しけい

死刑制度存続派は被害者側であり善良なので屈託がない。彼らは集まると、ときに、自分の犯した"死刑にならない程度の"犯罪について語る。その口調は快活であり、自慢気ですらある。

その点、死刑制度廃止派は違う。彼らはまず、"過去の自分の犯罪が時効かどうか"を素早く計算する。そして、他の人の犯罪と較べ、刑量が軽すぎないよう重すぎないよう配慮しながら語る。その姿は苦しげで、そのために死刑制度存続派と並べて見ると、彼らは非常に重大な罪を犯したように映る。たとえ、実際は逆であったとしても。